土佐表のご紹介


土佐表のご紹介です。

昭和40年代、戦後の高度成長期の住宅ラッシュのおりに、イ草栽培に適した高温多湿の気候と粘土質の土壌を持つ高知県では、イ草は「青いダイヤ」と呼ばれ、2500軒ものイ草農家がありました。

しかしその後の住宅環境の変化と、安い中国産に押され、現在では土佐市に3軒のみのイ草農家さんがイ草を育て、畳表を織られております。
実際私もイ草栽培を経験していますが、
冬の寒い時期に植え付け、真夏に刈り取り、泥染め、乾燥、その後ようやく畳表として「織る」工程に取り掛かれます。
これは本当に大変な作業だと思います。

実際現在の国内イ草生産高の95%を締める熊本県でさえ、イ草農家さんは減っていってしまっています。

そんな中3軒になっても「イ草は地域がもたらす財産」と、良い畳表を作り続ける土佐市の農家さん。
「管理の簡単なイ草は利益率が良いと言うけれど、手間をかけることを妥協してしまうと、国産と中国産の違いがなくなってしまう。」とも。
同じ物を作る立場にある者として、本当に
良くわかる言葉です。
可能な限り、自分の作る物には手間をかけたいんですよね。それが私の職人としてのそうありたい姿の一部分でもあります。

そんな農家さんが育て織られた畳表のご紹介です。
土佐表  縦糸 麻綿

特長
イ草の粒が太く表皮が硬い
日焼けしてくると綺麗な黄金色になる
灯芯がつまっている(クッション性が高い)
など

土佐表を作る農家さんは「畳を替えて、20年経って良さをわかってもらいたい」ともおっしゃられております。
それだけイ草が強く、自信のある畳表だということですね。
ですが畳屋としては、やはりもう少し早く次の仕事をさせていただかないと困ります。(笑)
国産の畳表のほとんどは熊本産です。
イ草にも色々と品種があり、
土佐表に使われるイ草は希少種と言えます。



土佐表 縦糸 麻W
(この商品はホームページには記載されておりません)

上記のワンランク上の商品になります。
長い上質なイ草の選別を丁寧に行い、
しっかりと織られた逸品です。
縦糸に麻糸を2本使用しており、
大変どっしりした畳表です。

普段から良く使われるお部屋に、イ草の作り手、織り手の思いがこもった、強く美しい「土佐表」はいかがでしょうか?